百合紅のインストについての私見
初心者がいるときに百合紅拡張を入れていいのか問題。今日は3人が初心者だったから拡張を抜いたけどね。わからーん— yoshimuraspeed (@yoshimuraspeed) 2018年12月15日
というツイートを受けて、百合紅のインストについて考えた所見をまとめます。なお、本エントリの内容は公式見解でも要請でもなく、あくまで試論です。私自身は百合紅の作者ではありますが、百合紅を全く知らない人にインストした経験が特別多いわけではないので、どのようなインストが望ましいかという意見についてはプレイヤーの皆さんと平等な立場だと考えています。ちなみにですが、個人的には拡張入れた方がグッと楽しくなると思ってます。
— もあいやん (@more_iyan) 2018年12月15日
なので、初プレイでも拡張入れて遊んで欲しいところもちょっとある。んだけど、ホントにインストすべき要素は(初プレイ時では顕著に)増えるんで、なかなか悶える。
全員未経験者、ルール読みから始める場合
拡張なしを強くおすすめします。百合紅のルールブックは現代ボードゲームの中では比較的厚い部類に入ります。かつ、メカニクスは元ネタにした「クレムリン」を別にすると類例があまりなく、他ゲームからの類推がやや効きづらいゲームになっています。これらの条件下では、ルールの複雑性が増す拡張要素は初ゲームでは入れない方がいいと考えています。一部のプレイヤーが未経験者で、未経験者がゲーム慣れしていない場合
拡張なしをおすすめします。基本版のみのルールでも、消化するべき内容はそれなりにあるため初プレイでは複雑性の高い拡張は入れない方がいいと考えられます。一部のプレイヤーが未経験者で、全プレイヤーがゲーム慣れしている場合
インストを行う人が「良いインストを行う人」の場合に限り、最初から拡張を入れても良いと思います。「全員がゲーム慣れしている」「プレイ経験のある人がいる」「良いインストを行う」、これら3つのうち1つでも満たされない場合、基本版でインストを行った方が無難だと思います。3番目はエッジケースで、微妙な部分があるためもう少し詳しく解説します。
「全員がゲーム慣れしている」の目安
世間のボードゲームプレイヤーの中では、比較的高リテラシー層を想定しています。・「正体隠匿」「バッティング」などの用語で「ああアレね」と分かる
・初めてのドミニオンで村鍛冶引き切りデッキを作り始める
・テラフォーミング・マーズの初プレイで破壊工作や雇われ襲撃者を躊躇なく使う
あたりが目安となります。逆にこれくらいが日常のプレイヤーなら、最初から拡張入りの方が楽しくプレイできるでしょう。
「良いインスト」について
インストをする人が、初プレイ体験を良いものにしようという意思と配慮があって欲しいという内容です。拡張「うつろひ」では、例えば特定の初期状態では最初の1ターンでゲームを終了させるコンボが発生することがあります。また、OTKほど極端でなくても初心者が対応困難な戦略が存在します。インストを行う人は、これらの分からん殺しになるような勝ち筋を見つけても、全員がルールを飲み込むまでは自重することが良いインストの条件だと考えています。ルールを飲み込む目安については、最初の3ターンをプレイして一通りのアクション・ターンの流れ及び追加の支援点分配まで行えば問題ないでしょう。(私は試遊卓などでゲーム全体をやる時間がない時は、最初の3ターンを遊んでもらうことを目安に回すことがあります。)追加支援点のある4ターン目以降は、普通にゲームをすれば大丈夫だと思います。
最初の3ターンの中で、下記の内容を含むプレイングが行われるのが理想的です。
・アプローチによる好感度上昇と不満度上昇を含むプレイング
・告白、特に断った場合のダイスロールによる判定
・駆け引き
・カップルの破局
・誓いのキスのダイスロール
・コントロール点の割り込み公開
いずれの場合も、1回通しでゲームをやればおおむねゲームの挙動は理解できるようになるると思います。全員が1度はプレイしたことがあれば、拡張を入れてもらって大丈夫だろうということで、皆様には是非百合紅拡張「うつろひ」を遊んでいただきたいです。
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