百合紅の競り周期表による分類

スパ帝国刊「ルールデザインノート」は、「競りの元素周期表」という章でゲームにおける競りメカニクスの分類をしています。分類方法は
  1. 支払うリソースが「お金」 vs 「機会」
  2. 「イングランド式 」vs 「オランダ式」
  3. 競り対象が「物品」 vs 「手続き」
  4. 競りへの参加が「直列」 vs 「並列」
  5. 競り対象が「単体」vs 「組み合わせ」
  6. 競りの価格が「公開」 vs 「封印(秘密)」
の5つの二項対立の組み合わせで、全ての組み合わせ 2^6 = 64 通りに対してそれぞれ0~63の「元素番号」を振るというもの。元素番号については機械的に割り振っているだけなので、本稿では以下省略。

例えば「ハゲタカのえじき」は「お金」「イングランド」「物品」「直列」「単体」「封印」という特性を持つ、という風に著書中では分類されています。

#ここまでの説明で「なるほど分かった!」となる人は少ないと思うので、気になる方は「ルールデザインノート」の購入をおすすめします。現在日本語で読める中では最高レベルのゲームデザイン本の一冊です。


以上が前置き。百合紅も競りのメカニクスを内蔵しているので、上記の分類で周期表上の位置を考察できるというのがこの記事の主題です。百合紅の特性は、

  1. 支払うリソースは「お金」数量化可能な支援点で、推しの組を落札しに行くゲームと捉えることができます。
  2. 一番高く支援点をつけたプレイヤーが落札をするので「イングランド式」
  3. 競りの対象は「手続き」コントロール点は女の子を操作する権利。支援点もモノとしてプレイヤーの所持品になるわけではありません
  4. 7C2もしくは9C2通りの組が同時に競り対象になるん「並列」
  5. 支援点とコントロール点が必ずセットになるので「組み合わせ」
  6. 支援点は言うまでもなく秘密なので「封印」
で、他にはあまりない組み合わせになっているようです。「ルールデザインノート」からこのタイプ(元素番号15番)の解説部分の引用すると、

14番:アクションの組み合わせが複数並びそれぞれに対して値を付ける。この時点で相当ややこしい。
15番:14番を封印入札で行う。誰が遊べるんだこんなもん

という感じです。誰が遊べるんだこんなもんとか言われていますが、現実に存在しますし割と広い層に遊んでいただけるゲームになっていると思います。

参考までに、百合紅がメカニクスに関して元ネタにした「クレムリン」も同様の分析をしてみると、百合紅は 5. 競り対象が「組み合わせ」なのに対してクレムリンでは「単体」なのが唯一の相違点となるでしょう。

百合紅では入札対象が女の子の組になっていることで、クレムリンとは違った競りのメカニクスを獲得できたと言えそうです。

「推す対象を女の子の組にしたクレムリン」という点は、百合紅を最初に着想した時点(当時のコードネームは百合クレムリンでした)から変わっておらず、競りの元素周期で1つ先に飛んだのはかなりの程度偶然です。我ながらいいところを掘り当てたものだなあと思います。

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